インフルエンサーに商品を紹介してもらう。SNSマーケティングの手段としては定番ですが、選定を間違えると費用がまるごと無駄になります。投稿は出た、再生数もついた、でも売上は動かなかった——という結果は珍しくありません。

失敗の原因はほとんどの場合、実施内容ではなく選ぶ段階にあります。ここでは、協業する相手を決めるときの選定基準を整理します。

この記事の内容

  1. フォロワー数を最初に見ない
  2. 確認する4つの数字
  3. 数字より重要な「重なり」
  4. 避けたほうがいいアカウント
  5. 依頼前に決めておくこと

フォロワー数を最初に見ない

選定でいちばん多い間違いが、フォロワー数の多い順に検討することです。フォロワー数は「何人に届く可能性があるか」を示すだけで、「何人が動くか」とは別の指標です。

10万人のアカウントで反応が数百件しかないこともあれば、5,000人で毎回コメントが埋まるアカウントもあります。商品を買ってもらうのが目的なら、後者のほうが機能します。

フォロワー数は最後に見る項目だと考えてください。予算に対して届く人数が足りているかを確認するための数字です。

確認する4つの数字

見る数字何が分かるか
エンゲージメント率フォロワーが本当に見ているか。(いいね+コメント+保存)÷フォロワー数で算出
コメントの中身絵文字だけか、内容のある会話か。会話が起きているアカウントは信頼されている
過去のPR投稿の反応通常投稿と比べて反応が落ちすぎていないか。落差が大きいとPRが嫌われている
フォロワーの増え方不自然に急増した時期がないか。購入フォロワーの可能性を確認する

特に3つ目は見落とされがちです。過去のPR投稿を3〜5本さかのぼって、通常投稿との反応差を見てください。ここで大きく落ちているアカウントは、フォロワーが宣伝を歓迎していません。

数字より重要な「重なり」

数字がすべて良くても、成果につながらないことがあります。原因は、そのアカウントのフォロワーと、自社の顧客が重なっていないことです。

確認する方法はいくつかあります。

  • コメント欄を読む。どんな年代・立場の人が書き込んでいるか
  • 普段どんな商品を紹介しているか。価格帯が自社と近いか
  • そのアカウントが解決している悩みと、自社商品が解決する悩みが近いか

可能であれば、依頼前にフォロワーの属性データ(年齢層・性別・地域)を共有してもらってください。多くのアカウントはアナリティクスで確認できます。出せないと言われた場合は、慎重に判断したほうがいいです。

避けたほうがいいアカウント

  • 紹介する商品のジャンルがバラバラ——何でも紹介している状態は、フォロワーが宣伝に慣れきっているサインです
  • フォロワーとフォロー数が近い——相互フォローで数を作っている可能性があります
  • 投稿頻度が極端に落ちている——アカウントの勢いが落ちているとリーチも落ちます
  • 過去に炎上している——ブランドに影響が及ぶことがあります。名前で検索して確認してください

依頼前に決めておくこと

選定と同じくらい、条件のすり合わせが結果を左右します。最低限、次の4点は書面で残してください。

  1. ゴール——認知なのか、購入なのか。どちらを狙うかで依頼内容も評価方法も変わります
  2. 絶対に言ってほしくないこと——薬機法や景品表示法に触れる表現は、こちらから線引きを示します
  3. 投稿の残し方——一定期間は削除しない、ハイライトに残すなど
  4. 成果の測り方——専用のクーポンコードやリンクを用意すると、投稿ごとの効果が分かります

4つ目は特に重要です。測る仕組みがないと、次回の判断材料が何も残りません。1回で終わらせず、次につなげるための準備だと考えてください。

まとめ

インフルエンサー協業の選定基準は、フォロワー数ではなく反応の濃さと、顧客の重なりで決めます。過去のPR投稿の反応を見れば、そのアカウントがPRに向いているかはすぐに分かります。

そして、測る仕組みを先に用意しておくこと。ここまで準備してから依頼すれば、費用が無駄になる確率は大きく下がります。