インフルエンサーに商品を紹介してもらう。SNSマーケティングの手段としては定番ですが、選定を間違えると費用がまるごと無駄になります。投稿は出た、再生数もついた、でも売上は動かなかった——という結果は珍しくありません。
失敗の原因はほとんどの場合、実施内容ではなく選ぶ段階にあります。ここでは、協業する相手を決めるときの選定基準を整理します。
フォロワー数を最初に見ない
選定でいちばん多い間違いが、フォロワー数の多い順に検討することです。フォロワー数は「何人に届く可能性があるか」を示すだけで、「何人が動くか」とは別の指標です。
10万人のアカウントで反応が数百件しかないこともあれば、5,000人で毎回コメントが埋まるアカウントもあります。商品を買ってもらうのが目的なら、後者のほうが機能します。
フォロワー数は最後に見る項目だと考えてください。予算に対して届く人数が足りているかを確認するための数字です。
確認する4つの数字
| 見る数字 | 何が分かるか |
|---|---|
| エンゲージメント率 | フォロワーが本当に見ているか。(いいね+コメント+保存)÷フォロワー数で算出 |
| コメントの中身 | 絵文字だけか、内容のある会話か。会話が起きているアカウントは信頼されている |
| 過去のPR投稿の反応 | 通常投稿と比べて反応が落ちすぎていないか。落差が大きいとPRが嫌われている |
| フォロワーの増え方 | 不自然に急増した時期がないか。購入フォロワーの可能性を確認する |
特に3つ目は見落とされがちです。過去のPR投稿を3〜5本さかのぼって、通常投稿との反応差を見てください。ここで大きく落ちているアカウントは、フォロワーが宣伝を歓迎していません。
数字より重要な「重なり」
数字がすべて良くても、成果につながらないことがあります。原因は、そのアカウントのフォロワーと、自社の顧客が重なっていないことです。
確認する方法はいくつかあります。
- コメント欄を読む。どんな年代・立場の人が書き込んでいるか
- 普段どんな商品を紹介しているか。価格帯が自社と近いか
- そのアカウントが解決している悩みと、自社商品が解決する悩みが近いか
可能であれば、依頼前にフォロワーの属性データ(年齢層・性別・地域)を共有してもらってください。多くのアカウントはアナリティクスで確認できます。出せないと言われた場合は、慎重に判断したほうがいいです。
避けたほうがいいアカウント
- 紹介する商品のジャンルがバラバラ——何でも紹介している状態は、フォロワーが宣伝に慣れきっているサインです
- フォロワーとフォロー数が近い——相互フォローで数を作っている可能性があります
- 投稿頻度が極端に落ちている——アカウントの勢いが落ちているとリーチも落ちます
- 過去に炎上している——ブランドに影響が及ぶことがあります。名前で検索して確認してください
依頼前に決めておくこと
選定と同じくらい、条件のすり合わせが結果を左右します。最低限、次の4点は書面で残してください。
- ゴール——認知なのか、購入なのか。どちらを狙うかで依頼内容も評価方法も変わります
- 絶対に言ってほしくないこと——薬機法や景品表示法に触れる表現は、こちらから線引きを示します
- 投稿の残し方——一定期間は削除しない、ハイライトに残すなど
- 成果の測り方——専用のクーポンコードやリンクを用意すると、投稿ごとの効果が分かります
4つ目は特に重要です。測る仕組みがないと、次回の判断材料が何も残りません。1回で終わらせず、次につなげるための準備だと考えてください。
まとめ
インフルエンサー協業の選定基準は、フォロワー数ではなく反応の濃さと、顧客の重なりで決めます。過去のPR投稿の反応を見れば、そのアカウントがPRに向いているかはすぐに分かります。
そして、測る仕組みを先に用意しておくこと。ここまで準備してから依頼すれば、費用が無駄になる確率は大きく下がります。