「SNSをやれば売上が上がる」と考えて始めると、たいてい期待外れになります。投稿は見られている、フォロワーも増えた、でも売上は変わらない。よくある状態です。
原因は、知ってもらうことと、買ってもらうことの間にある距離を飛ばしているからです。この距離をいくつかの段階に分けて設計するのがファネル設計です。
ファネルとは何か
ファネル(funnel)は漏斗のことです。上が広く、下にいくほど狭くなる形。SNSで言えば、投稿を見た人が100人いても、購入まで進む人は数人という構造を表しています。
この形自体は自然なことで、問題ではありません。問題になるのは、どこで人が抜けているかを把握していないことです。
ファネル設計とは、段階を分けて、それぞれの段階に必要なものを用意しておくことです。
4つの段階と、それぞれに必要なもの
| 段階 | 相手の状態 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 認知 | 存在を知らない | フォロー外にも届く投稿。ショート動画、リール |
| 興味 | 知ったが、まだ他人事 | 役に立つ情報。具体的なノウハウ、解説 |
| 信頼 | この人は分かっていると思っている | 実績、お客様の声、失敗も含めた本音 |
| 行動 | 頼みたい、買いたい | 価格、依頼方法、問い合わせ先 |
それぞれで発信の中身が変わる
同じアカウントの中でも、段階ごとに出すものは違います。認知の段階で価格の話をしても届きませんし、信頼の段階で入門的な情報ばかり出していると先に進みません。
投稿の企画に迷ったときは、「これはどの段階の人に向けた投稿か」を自分に聞いてみてください。全部が認知向けになっているアカウントは非常に多いです。
段階を飛ばすと何が起きるか
いちばん多いのが、認知からいきなり行動へ飛ぶパターンです。バズった投稿の直後に商品を案内する、といった動きです。
見ている側からすると、まだ何者かも分からない相手からいきなり売り込まれた状態になります。反応が悪いだけでなく、フォローを外される原因にもなります。
逆に、信頼の段階まで来ているのに行動の受け皿がない、というパターンもあります。頼みたいと思ったのに、価格も連絡先も分からない。この場合は、投稿を増やすより先にプロフィールを整えるべきです。
どこで詰まっているかを見つける
数字を見れば、どの段階で止まっているかはある程度分かります。
- 再生数・リーチが少ない → 認知で詰まっている。届く投稿の形式を見直す
- 再生はされるがフォローされない → 興味で詰まっている。プロフィールと固定投稿を見直す
- フォロワーはいるが問い合わせが来ない → 信頼か行動。実績の出し方と、依頼方法の明示を確認
- 問い合わせは来るが成約しない → 期待と実際がずれている。発信内容とサービス内容の一致を確認
全部を同時に直そうとすると何も進みません。いちばん人数が減っている段階を1つだけ選んで、そこに集中してください。
SNSだけで完結させない
SNSは認知と興味に強く、信頼と行動はやや弱い場所です。タイムラインは流れていくので、じっくり読ませる形式に向いていません。
そこで、後半の段階は別の場所に受け渡すのが現実的です。
- 詳しい情報 → ブログ、サイト
- 継続的な接点 → メールやメッセージアプリの登録
- 相談・申し込み → フォーム、予約ページ
SNSで全部やろうとせず、それぞれ得意な場所に渡していく。この設計ができると、フォロワー数が少なくても成果が出るようになります。
まとめ
SNSで売上が動かないとき、原因は投稿の質ではなく段階が飛んでいることにあります。認知・興味・信頼・行動の4つに分けて、それぞれに必要なものを用意する。
そして、いちばん人が抜けている段階を1つだけ選んで手を入れる。この順番で進めるのが、遠回りに見えていちばん早いです。