スマートフォンで動画を見る場面の多くは、音が出せない状況です。電車の中、職場、寝る前の布団の中。ここで音声だけに頼った動画は、中身に関係なく飛ばされます。
テロップは、その状況でも内容を伝えるための手段です。いまや任意の装飾ではなく、必須の要素になっています。
テロップが完走率に効く理由
ショート動画は、最初の1〜2秒で見るか飛ばすかが決まります。音が出せない状態では、画面に文字がないと何の動画か判断できません。
逆に、冒頭に一言でも文字が出ていれば、内容が分かって見続けてもらえます。完走率が上がれば、それだけ多くの人に届きやすくなります。
つまりテロップは、音が聞けない人への配慮であると同時に、動画が届く範囲そのものを広げる要素です。
3つの基本ルール
1. 話している内容をそのまま入れる
要約したくなりますが、まずは話した言葉をそのまま出すのが基本です。要約すると、音を聞いている人にとって「言っていることと文字が違う」状態になり、かえって読みづらくなります。
2. 重要な言葉を目立たせる
全部を同じ大きさ・同じ色にすると、どこが大事か分かりません。数字、キーワード、結論の部分だけ大きくする、色を変える。この差があると、流し見でも要点が入ります。
3. 画面の3分の1以上を覆わない
文字が多すぎると映像が見えなくなります。また、SNSによっては画面の下部にアカウント名や説明文が重なるので、下の方に文字を置くと隠れます。 中央からやや下、を基本にしてください。
読みやすくする細かい工夫
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 1画面の文字数 | 15〜20文字程度。長い文は分割する |
| 表示時間 | 読み終わる前に消えないこと。声より少し長めに |
| フォント | 太めのゴシック体。細い書体は小さい画面で読めません |
| 縁取り・影 | 背景が明るくても暗くても読めるように必ず付ける |
| 改行位置 | 意味の切れ目で改行する。読点の位置で分ける |
最後の改行位置は見落とされがちです。自動の折り返しに任せると、変な場所で切れて読みにくくなります。自分で改行を入れてください。
自動文字起こしの使い方
多くの編集アプリに、話した内容を自動で文字にする機能が付いています。手打ちに比べると作業時間は大きく減ります。
ただし、そのまま使うのは危険です。
- 誤変換が必ず出る——固有名詞、専門用語はほぼ間違えます
- 改行位置が不自然——意味の切れ目を無視して分割されます
- 言い間違いもそのまま文字になる——「えー」「あの」なども拾われます
使い方としては、自動で下書きを作り、目で確認して直すという流れが現実的です。ゼロから打つよりは大幅に速くなります。
やりすぎに注意
効果があると分かると、装飾を増やしたくなります。ただし過剰な装飾は逆効果です。
- 色を使いすぎると、どこが重要か分からなくなる
- アニメーションが多いと、読む前に消えてしまう
- 絵文字を詰め込むと、文字が読みにくくなる
基本は2色まで、動きは控えめに。統一されたテロップは、それだけでアカウントの印象を作ります。毎回スタイルを変えないほうが、覚えてもらえます。
まとめ
テロップは、音が出せない環境で見られる前提の必須要素です。話した内容をそのまま、重要な言葉だけ目立たせ、画面の3分の1に収める。
自動文字起こしで下書きを作り、誤変換と改行位置だけ自分で直す。この形にすれば、時間をかけずに読みやすいテロップが作れます。