「SNS運用は社内でやるべきか、外注すべきか」。これは相談としてよく出る質問ですが、どちらかに決める問題ではありません。
実際には、工程ごとに分けて、向いているほうに割り振るのが現実的な答えになります。ここでは判断の基準を整理します。
それぞれの向き不向き
| 内製 | 外注 | |
|---|---|---|
| 費用 | 人件費のみだが、担当者の時間を使う | 月額費用がかかる |
| スピード | すぐ動ける | 確認のやり取りが挟まる |
| 自社らしさ | 出しやすい | 伝えないと出ない |
| 専門性 | 担当者の力量に左右される | 形式やトレンドに詳しい |
| 継続性 | 担当者が抜けると止まる | 契約が続く限り止まらない |
この表を見ると分かるとおり、強みと弱みが噛み合っています。どちらかを選ぶより、組み合わせたほうが理にかなっています。
工程ごとに分けて考える
SNS運用は、大きく5つの工程に分けられます。
- 戦略・方針——誰に何を届けるか、どんなトーンでいくか
- 企画——具体的に何を投稿するか
- 制作——撮影、編集、デザイン
- 投稿・運用——投稿作業、コメント対応
- 分析・改善——数字を見て次を決める
このうち、1番は原則として自社で持つべきです。誰に何を届けたいかは、外部には分かりません。ここを丸ごと預けると、投稿は出るのに自社らしさが消える、という結果になります。
逆に3番の制作は、外注の効果がいちばん大きい工程です。専門的な技術が必要で、時間もかかるからです。
内製が向いているケース
- 商品やサービスの説明が難しい——専門性が高いほど、外部が理解するのに時間がかかります
- 現場の様子が価値になる——製造の過程、店舗の日常など、その場にいないと撮れないもの
- 社員が出るほうが伝わる——人柄が商品の一部になっている業種
- スピードが必要——タイムリーな話題に反応する運用
外注が向いているケース
- 担当できる人がいない——兼務で回そうとして止まるくらいなら、外に出したほうが続きます
- 形式に専門性が必要——ショート動画の編集など、習得に時間がかかる作業
- 投稿量を増やしたい——本数を出す段階では、社内だけだと限界が来ます
- やり方が分からない——最初の型を作ってもらい、後から内製に戻す方法もあります
組み合わせるときの注意
分担する場合、いちばん重要なのは方針を文書で共有することです。口頭で伝えたつもりでも、外部の担当者には伝わりません。
最低限、次の内容をまとめておいてください。
- 誰に向けた発信か
- 使っていい表現と、避ける表現
- 色、フォント、ロゴの使い方
- 確認が必要な内容の範囲
- コメントへの対応方針
この資料があるかないかで、外注の成果は大きく変わります。作るのに時間はかかりますが、担当者が変わっても引き継げるので、内製に戻すときにも役立ちます。
まとめ
内製か外注かは二択ではありません。戦略は自社、制作は外注という分け方が、多くの場合いちばん機能します。
そのうえで、方針を文書にしておくこと。これがあれば、どちらの形になっても運用の軸はぶれません。